病気のブログ

第1回:夜間頻尿のお話

2018.07.20

本年も早いもので、11月、日々寒くなって参りました。
泌尿器科診療では、この時期から夜間の尿回数が増えるというお悩みで、クリニックを受診される方が増えてまいります。
今回は、夜間の頻尿について説明していきます。

夜間頻尿とは

夜間頻尿とは夜間1回でも排尿のために起きてしまう状態と定義されています。
じつは、夜間頻尿が1回と2回以上では、転倒骨折する確率が後者が2倍以上になるとの報告があります。
また、夜間頻尿の回数により、生存率に違いがあるとの報告もあります。
たかがおしっこですが、放ってはおけない話と思います。

夜間頻尿の原因

夜間頻尿の原因

ではなぜ、夜間頻尿になるのでしょう。それには、いろいろな原因があります。

残念ですが、人は加齢とともに腎臓の働きが低下し、夜間に尿が作られるようになってしまいます。85歳の方ならば若い方の半分くらいの腎機能と予測されます。
そのような状態に加えて、脳卒中、脱水予防にと、水分摂取が過剰になられている方が多いです。
人それぞれ体格が違うように、適正な水分摂取量があります。
食事以外におよそ、30ml×体重(kg)分を摂取して頂ければ十分と考えます。不要な水分は当然、尿となり夜間頻尿を引き起こします。これを夜間多尿ともいいます。
水分摂取により血液がサラサラになるという医学的なエビデンス(証拠)は存在していません。むしろ、高脂血症、高血圧、糖尿病などの不安定なコントロールが血管の状態を悪くします。
その他の、原因は右の図のようになっています。

下肢の浮腫(むくみ)

夜間多尿の原因に下肢の浮腫(むくみ)があります。
昼間活動して脚に溜った水分が就寝時に横になることで心臓に戻るため、心臓は腎臓に対して、不要な水分を排泄するよう命令を出し、夜間の尿量が増えてしまうのです。
心臓機能が低下していると、さらに下肢浮腫が出現しやすいのですが、一般的に健康な高齢の方にもこの傾向はあります。
そのような場合、昼間、ストッキングを着用したり、夕食後に足の拳上をすることにより頻尿が改善することがあります。

過活動膀胱

最近テレビのコマーシャルでも耳にする機会が増えてきた言葉かと思います。
実は、過活動膀胱の症状が現れている人は、40歳以上で810万人と推定されています。
70歳以上では3人に1人が当てはまります。
過活動膀胱は、男性ならば前立腺肥大、女性ならば骨盤底筋群脆弱化、女性ホルモンのアンバランスなどが原因で膀胱が過敏になってしまう病態です。
そのため、蓄尿障害が出現し、夜間尿が溜められず、何度もトイレに起きなければいけなくなるのです。

前立腺肥大症

肥大症があると、尿の勢いが弱くなり、残尿感や頻尿の原因となってしまいます。
また、症状が進行してくると残尿量が増え、さらにおしっこの回数が増加してしまいます。
尿道への出口が前立腺により閉塞されると、膀胱の不安定化が強くなり、なおさら頻尿にもなってしまいます。(過活動膀胱)

糖尿病

血糖値のコントロールができていないと、血液のブドウ糖が尿中へ排泄されるため、腎臓での水分の再吸収量が低下し、尿量が増加します。(浸透利尿) 夕食を食べ過ぎると、その分、高血糖となり、夜間尿量が増加してしまいます。

高血圧

血圧をコントロールしているホルモンが昼間高めに推移するため、夜間は相対的にそのホルモン値が低下し、結果として腎臓への血流量が増加、尿量が増えてしまいます。
また、塩分摂取が多いと、その分尿へ塩分が排泄されるため、糖尿病と同じく、浸透利尿効果となり夜間尿量が増加してしまいます。
うどんやラーメンの汁は飲まないようにする、焼き魚には醤油よりレモンで味付けするなど、食事での塩分摂取を工夫してみてください。

睡眠障害
残念ながら、高齢になると睡眠のパターンに変化が現れます。
夜間に脳が覚醒するタイミングが、7時間の間に7回近く出現します。
そのため、自然に目が覚める場合と、尿意で目が覚める場合と、二重苦の状態になってしまいます。

夜間頻尿で眠れずお悩みの方は、
  • 昼寝を控える
  • 夕方からはカフェインを控える
  • 寝る前のパソコン業務を控える
  • 入浴を遅くする
  • 就寝のタイミングを今までより遅くする
など、試してみてください。

このように、夜間頻尿の原因は多様にあります。
ひとつひとつの原因を探りながら、お医者さんと相談して治療していく必要があります。
おしっこは、血液からのお便りです。ご自愛くださいませ。

投稿者:ももたろう腎・泌尿器科クリニック

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