病気のブログ

第3回:腎機能低下 Cr上昇のお話

2018.07.20

腎臓は背中側の腰のあたりに左右一対ずつあり、尿を作り、体の老廃物を排出したり、体の水分管理をしています。
また、血圧をコントロールするホルモンや、血液を作り出すホルモンも分泌しており、とても大事な臓器になります。

クレアチニンCr血液検査

健康診断の血液検査においては、「クレアチニンCr」という腎機能の評価があります。
クレアチニンCrとは、筋肉にあるクレアチンが分解されたもので、老廃物として尿より排泄されます。そのため、血液検査でクレアチニンCrの値が高いということは、腎臓の排泄能力が低下していることを示します。
クレアチニンCrの基準値は男性が0.5~1.0mg/dl、女性が0.4~0.8mg/dlとされています。男性と女性とで基準値が異なるのは、筋肉量に違いがあるからです。

腎機能低下の原因

急性的原因
  • 熱中症
  • 脱水
  • 熱傷…など
慢性的(ゆっくりと低下)原因
  • 肥満
  • 喫煙
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • 加齢
  • 慢性腎炎
  • ネフローゼ…など

GFR(腎糸球体濾過量)

GFR(腎糸球体濾過量)

腎臓の精密な機能検査としてGFR(腎糸球体濾過量)があります。
実際の腎機能はこのGFRで評価されるのですが、ここで重要になるのが、クレアチニンCrはGFRが正常値の1/2以下になってから上昇してくることです。
左図のように、クレアチニンCrの値が0.8ならばGFR100ml/分、1.1ならばGFR60ml/分と腎機能が半分以下となってしまいます。
ですので、クレアチニンCrの値が高い場合は、早めに専門医を受診してください。

投稿者:ももたろう腎・泌尿器科クリニック

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